地の果て、そこに広がるのは果てしない砂漠だった。
太陽の光が反射する砂はまるで金色の海のように輝き、その中での生活は厳しく、誰もがいつかこの場所からの帰りを願っていた。
数年前、ある若者がこの砂漠に挑戦するために出かけた。
彼は「砂の生命」を求め、その奥深くに隠された何かを探し続けていた。
彼が持参したのは、ただ一つの水筒と、人々から伝わる神話に基づく信じられない話だった。
この砂漠には、時を操る力を持つ存在がいるというのだ。
その存在は、砂の精霊と呼ばれ、願いを叶える代わりに命を奪うという。
若者は、砂の精霊を見つけるべく、日々歩き続けた。
彼は暦の感覚を失い、砂の波のように時間が流れていくのを感じただろう。
しかし、ある日のこと、彼は久々に訪れたオアシスで見た光景に目を奪われた。
そこには美しい女性が佇んでおり、彼を見つめていた。
彼女の名はアリーナ、砂漠の秘密を知る者だった。
「私の名はアリーナ。この砂漠の命を守る者。ただし、時を操る者の手を借りることはできません」と言いながら、彼女は笑顔を浮かべた。
しかし、その笑顔とは裏腹に、青年は不安を抱えていた。
「砂の精霊について知っているのか?」と若者は尋ねた。
アリーナはうなずき、「精霊の存在は本当だ。しかし、その力は恐ろしいものでもある。その力を請う者は、代償を払わなければならない」と告げた。
それでも、若者の心には希望があった。
彼は砂漠の底に埋もれた宝物を手に入れることで、自らの願いを叶えようと考えていた。
自らの名誉のために、そして忘れ去られた時から帰りたかったのだ。
その夜、彼は砂の精霊を呼び出す儀式を行った。
心を込めて祈りを捧げると、砂の中から精霊が姿を現した。
まるで空気が震え、砂が波打つように、精霊は現れた。
「願いを言え。ただし、代償を受け入れる覚悟があるのか?」精霊の声は耳元で響いた。
「私は、この砂漠に隠された命の力を求める。戻るためには、真の力が必要だ」と若者は答えた。
すると、精霊は微笑み、砂を舞わせた。
「その願いを叶えてやろう。だが、命の代償が必要だ。お前の仲間たち、あるいは家族の命が必要だ」と言い放った。
若者は愕然としたが、失うものが何もないと思った。
彼は「いいだろう、その代償を受け入れる」と答え、精霊の手がかかると、瞬間的に彼の視界が歪んだ。
砂漠の空間がゆがみ、彼は気を失った。
次に目を覚ましたとき、彼は知らない場所にいた。
その地には、顔も見知った者たちの影が横たわり、彼が望んでいた中身を持つ者たちだった。
しかし、彼の心には恐ろしい罪悪感が残っていた。
だが恐怖に飲み込まれ、すぐに若者は逃げるようにその場を後にし、故郷を目指した。
彼は再び帰る道を進んだが、彼の心には重いものがのしかかっていた。
自分が望んだ力の代償として、彼は戻ったのだが、もう彼は一人ぼっちで、過去は砂に消えた。
やがて、楽しかった日々を思い出しながら、彼は帰り着いたのだったが、もはや彼の人生は変わってしまっていた。
砂漠の命を奪ったその日から、彼はその影に怯えるようになり、何かを失い、何かを得ても彼の運命は災厄に翻弄された。