「怨みの神社」

高校時代の友人たちと久しぶりに集まったとき、彼らは私に暗い表情で一つの話を切り出した。
それは、近くの山にある古い神社についてのことで、特に「血の復讐」と呼ばれる恐ろしい現象が生じる場所だという噂だった。
何年も前にそこを訪れた一人の学生が、行方不明になる事件があったという。
数日後、彼の血の染みついた服が発見されたが、その姿はどこにも見当たらなかった。
友人たちの話によれば、神社には、呪われた者たちの怨念が宿っているという。

その話を聞いていた私は、好奇心に駆られた。
怖い話が好きな私は、恐怖を楽しむために神社に行くことを決意した。
友人たちは反対したが、私の意思は固く、その夜、単独で山へ向かうことにした。

山道を進むうちに、薄暗い森の中に神社が現れた。
周囲の静けさが不気味で、冷たい空気が肌に刺さった。
私は神社の前に立ち、気持ちを落ち着けるために深呼吸をした。
すると、背後からかすかな音が聞こえた。
振り返っても、何も見えない。
ただ、風の音だけが耳をつんざくように響いていた。

神社の中に入ると、不気味な雰囲気がさらに増した。
周囲には、古びたお札や祈りの言葉が掲げられているが、どれも色あせていて忘れ去られたようだった。
進むにつれて、空気が重く感じ、まるで誰かが私を見つめているような感覚がした。

私は神社の奥にある祠に向かい、その扉を開けた瞬間、冷たい風が吹き抜けた。
中には、見覚えのない朱色の布が飾られ、そこには血で書かれたような文字が浮かび上がっていた。
「怨みを忘れるな」と。
それは、私を誘うような言葉のように思えた。

足元に転がっていた小さな石を拾い上げようとした瞬間、足元から何かが這い上がる感触が走った。
驚きに心臓が跳ね、私は後ろに飛び退く。
すると、視界の隅に何かが動いた。
影だったのだろうか、確かに人のような形をしていた気がする。

その時、耳元で囁く声が聞こえた。
「私の復讐を手伝え」と。
驚いて振り返るが、そこには誰もいない。
恐怖で体が硬直する中、私はその声が、この神社に宿る怨霊のものであることに気づいた。
私は一体何をするべきなのか、ただ恐怖に駆られるばかりだった。

その後、私の身体はその場に囚われたように動けなくなり、気がつくと薄暗い空間にいた。
周囲は血に染まっていて、まるで以前この場で起きた出来事の幻影が見えるかのようだった。
怨霊たちの姿が浮かび上がり、彼らは私を見つめていた。
その中の一人が近づいてきて、私の耳元で再び囁く。
「あなたも私たちの仲間になりましょう。復讐の刃となって、あなたを導くから。」

その言葉に、自分の運命が決まったことを感じた。
私は怖れと興奮を抱えながら、彼らにすがりつくように求めた。
「私もあなたたちを助ける。何が必要なの?」

その瞬間、視界が暗転し、私は再び神社の前に立っていた。
しかし、もう間違いなく私は変わっていた。
血の復讐を果たすために、今度は誰かを誘う役割が与えられたことを理解した。
神社の周囲には、私の前に現れる人々が集まり始めていた。
彼らは、私が誘うことでこの場に来てしまうことを知らないまま。

私は微笑んで彼らを迎え入れた。
自分が何かを求める者と同時に、彼らを道連れにする者となった。
こうして、恐怖の輪廻は続いていく。
神社はいつまでも、その呪われた者たちを待ち続けるのだろう。

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