「帰れぬ橋の向こうに」

ある小さな町に、古くから伝わる言い伝えがあった。
それは「端に現れる霊」というもので、特定の地点、町の端にある古い橋のそばでその霊を見た者は、決して帰れなくなるというものであった。
都合のいい話だとは思っても、誰もそれを試そうとはしなかった。

時は流れ、ある日、青年の健二が友人たちとともにその町に遊びに来た。
彼は心霊現象や都市伝説に興味があり、特にこの「霊」の話を聞くと、無性にその場所を訪れたいと思った。
友人たちは最初は怖がっていたが、健二の熱心さに押されて、ついに皆で橋へ向かうことにした。

辺りは夕暮れ時で、夕焼けが空を染めていた。
橋に着くと、彼らは目の前の光景に息を呑んだ。
古びた木製の橋は、蔦に覆われ、どこか神秘的な雰囲気を漂わせていた。
健二は恐怖よりも好奇心が勝り、「さあ、行こう!」と意気揚々に橋を渡り始めた。

端まで歩き進んだ彼と友人たちだったが、なぜかその日は空気がどこか重く感じられた。
一瞬、健二の

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