静かな夜、村外れの遊び場には、ただ風の音だけが響いていた。
遊具は薄暗がりの中でひっそりと佇み、かつての賑わいを思い起こさせる。
遊び場の片隅には、古びた幅広の道が延びているが、誰もその道を進むことはなかった。
道の先には、今は人が去ったという噂が立つ、誰もが恐れる「物の道」があったからだ。
ある夏の終わり、若い男の子たち、健太と明は、友達と一緒に遊び場へ向かうことになった。
彼らはいつも賑やかだったが、その日は何かが違った。
明は身体が重く感じ、健太は不安そうに周囲を見回していた。
「外れの道に行くのはやめようよ。」明が言うと、健太は「大丈夫、何もないよ。ただの噂さ。」と笑って答える。
しかし、空気はどこか不気味だった。
彼らは遊び場で楽しむことにしたが、次第にその不安を忘れることはできなかった。
夜が深まるにつれて、友達は一人また一人と去っていき、とうとう健太と明の二人だけになってしまった。
周囲が薄暗くなると、遊ぶ気にもなれなくなった二人は、あの「物の道」を試してみることにした。
「ちょっとだけ行ってみようよ。」健太が言うと、明は目を伏せた。
「でも、ほんとにおかしいことが起こったら…」健太は明の言葉を無視し、前に進んだ。
明はしぶしぶ彼に続く。
道を歩き始めると、周囲が静まり返り、